招待状、日柄に関する結婚式のしきたり考

先のブログ「結婚式に対する親子の感覚のギャップとは?」では、イメージの違いによるギャップについて書きました。
続いては、しきたりや習慣についての世代間ギャップについて書いておこうと思います。

■招待状の差出人=主催者の名前

たとえば、忘年会のお知らせが幹事から発信されるように、
結婚式の招待状は、結婚式の主催者から発信します。

家同士の結婚という感覚が強かった時代は親の名前で出すのが主流でした。
現在は結婚は個人同士の結びつきという感覚が強くなって、招待状も子(本人)の名前で出すのが主流になりました。

今や、子の名前で出す招待状がかなり増えているので、
親の名前の招待状を見たことがない、という人も増えているのですよね。
他に、連名という方法もあるし、それぞれに意味合いや印象も変わるので余計にややこしい。

認識の違いからくる親子間のギャップを払拭するために、
差出人にはいくつかの選択肢があり、どのケースにどのパターンが適しているのか、
私たちプランナーからしっかりと説明し提案することの重要性を象徴する内容です。

■日柄についての考え方

「大安」「友引」などの日柄のことを「六輝(ろっき、六曜とも)」と呼びます。
今でも日柄のいい日を喜ぶのは変わりませんし、わざわざ仏滅を選ぶ人もほとんどいないものの、仏滅以外ならどの日柄でもいい、という人も増えています。

実は六輝と言うのは仏教にも神道にもあまり関係がないものなんです。
ご実家が神社、お寺だというお客さまが、実際に「うちは関係ないので」とおっしゃっていましたし。
キリスト教ならなおさら関係がないですよね。

暦に記されている「暦注」のひとつで、他にも十二直や二十八宿というものもあり、
その組み合わせで日を選ぶことが、いわば民間信仰的に続けられていました。

そのしくみを知ると、なーんだと感じられるかも。
太陰暦(旧暦)の各月の1日はどの六輝か決まっています。
それを太陽暦(新暦)に変換すると順番が変則的に見えるので、ちょっと神秘的に見えますが、
太陽暦で見れば同じ日でも翌年は違う日柄になる確率が高く、なにしろ順番にめぐってくるわけなので、正直そこにあまり意味はありません。

とはいえ、わざわざ悪い日を選ぶ必要もないわけですから、
気になる方はいい日にしておいたほうが気分的にもいいと思います。
親御さん世代にはまだまだ気にする方が多いので、私は必ず、事前に親御さんにも確認しておくようにおすすめしています。

この内容も、先日の取材でお話したことで、フリップなどで取り上げられていました。
取材にいらしたディレクターさん(お姉さんが先週ご結婚した、結婚ラッシュ年代の男性)は、「へー」とびっくりされていたので、
やはり今の新郎新婦世代には縁遠いことなのでしょうね。

周囲から見てどう感じるか、というのが大事なポイントなので、
親子で相談するときも、自分たちの価値観だけでなく、招待する方の立場で考えるとまとまりやすいと思います。

世代が違うのですから、感覚にギャップがあるのが普通。
お互いの「当たり前」をまず伝え合い、ギャップを認識してから、
さて、どうするか話を進めることをおすすめします。

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