独りでドレスを着るだけなら「ウェディング」ではない

「ソロウェディング」というものがネットで話題になっていますが、
ウェディングに携わるものとして、とても違和感のある商品です。

なぜなら、私たちは、
ウェディングドレスを着る人を増やしたいのではなく、
結婚式や披露宴をするカップルを増やしたいから。

撮影サービスを提供しているパートナーによれば、
実際に結婚するわけではない女性が撮影を依頼することはあるようですし、ずいぶん前から聞いている話。
そういう点では、特に新しいサービスだということもないわけですね。

それに、宿泊してドレスを着て写真を撮るだけなら、30万円もかからず、もっと安くできます。
都内では数万円で写真撮影ができる、檄安なところも多々ありますし、
私のパートナーのドレスショップや写真会社でも、結構リーズナブルな金額でサービスを提供しています。

相手役を手配できるというサービスも行っているようですが、それこそ違和感そのもの。
コスプレ!?
私もドレスを神聖視するなんてことはしていないものの、独身者に彼氏でもない相手をつけちゃうのはどうなんだろう……。

もちろん、事情を抱えている方もいて、興味本位ばかりではないと思いますし、
ドレスを着てみたい!という女心を否定はしません。
このサービスも、実際には独身者限定ではなく、既婚で結婚式ができなかった人に向けたメッセージも載っているし。
なのに、ひとりでウェディングをしましょう!というストーリーを語って販売しているのには抵抗感があるんです。
センセーショナルなキャッチコピーをつけてリリースし、たくさんの人に売りたいんでしょうね。

ネット上のコメントで「これでウェディングも活性化するかもね」なんてものもありましたが、
前述したように、ウェディング業界の人間の大多数はドレスを着る人やそれでお金を使ってくれる人を増やしたいわけではありません
一般の人は、こういうものを目にすることで、誤解をしてしまっているんだなぁ、と悲しい気分になりました。

しかし最近、こういう類の商品がよくネットなどで流れていますよね。
センセーショナルなものをピックアップするだけで、「結婚式とは何なのか」という本質的なことを無視した記事が多いので、
世間に大いなる誤解を生んでいるように思います。
話題になれば何でもいいのでしょうか?

このサービスを提供している企業は、考えに考えて企画してリリースしたことだと思いますので、
それについては何も言うことはありませんが、ウェディングのサービスだといういい方はできればしてほしくないですね。
京都でのサービスですから、「舞妓さんに変身プラン」と同様のものとして宣伝をお願いしたいものです。

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