「○○婚」のクオリティは要確認

最近増えてきた「○○円で結婚式ができる」という触れ込みのウェディング会社。
「○○婚」というのが増えていますよね。
そういった会社の1つが、最近PRとして上げていた「取材記事」を出していました。

クオリティをそのままに「約半額で結婚式できる」という説明。
そして、式場は高い価格設定をしているが、我々は大量仕入れと価格競争で価格を下げている、という説明。
また、安い見積りで契約し、打合せでどんどん費用が上がる、という説明。

でも、 クオリティを保ったままで半額にしたり、価格競争というのはできないと思うのです。
また、 見積りも、希望するものを全て入れて出してほしいといえば、大概のところはちゃんと作ってくれます。
そもそも、式場によって予算は大幅に異なるわけですから、単純に「半額」と言うこと自体が危険なのですよね。

同様の別の会社では、「当日はプランナー、アシスタント、司会、ヘアメイク、音響の5名のスタッフがフルサポート」と書いてあります。
これは、当たり前のことであって、特別スゴイことではない。
司会や音響が会場にいるのは当然、ヘアメイクもそこにいなければ仕事になりません。
事前の打合せも、どの式場だって行っています。

そして、プランナーがその場にいるから、クオリティが高いと思うのは、実は間違い。
分業制で、当日は宴会サービスに引き継ぐ式場はまだまだたくさんありますし、引き継ぎしても大丈夫な状況にしておくのがプランナーの仕事なんです。
ちなみに私の場合は、アシスタントなしで行う場合も多いです。
全てのスタッフ間の連携が取れていれば、式場のスタッフさんに助けていただくなどして、アシスタントは必要ないのです。
プランナーとアシスタントが同行しなくて済むようになれば、上記の会社さんはもっと費用が削れるのでは(笑)

 

こういった会社は「結婚式=ぼったくり」という図式をベースに、自社のメリットを語るため、かなり誤解を招くような表現が行われています。
さも、式場が融通がきかず、高い利益を乗せているような表現のしかたです。
常識的な式場やウェディングプランナーなら、他社の批判をベースに自分たちを売り込むようなことはしないのですが……

ウェディングもビジネスですから、利益を上げることだって当然考えています。
しかし、お金を払ってくださるお客さまが満足するからこそ、利益が上がる、そのことに誠実に向き合っている式場、プランナーもたくさんいるんです。
私が現在コンサルティングでお世話になっているところも、実に一般的な契約条件ですし、
高いお金をいただくのだから、お客さまにそれだけの価値を感じていただき、満足していただこうと、
パートナー会社も含めて日々努力しています。

 

「安く結婚式ができる」ということについては、異を唱えようとは全く思いません。
こういった会社に怒りがこみ上げるのは、結婚式という場にはとても大切で、でも目に見えない「サービス」というものの価値をぶち壊しにかかっていること。

サービスは二の次、安いのが一番!という方には「○○婚」でいいのかもしれませんね。
こういった会社を利用すること自体を否定はしませんし、きっと所属するプランナーさんは一生懸命やっているはず。しかし、その会社の中だけで式場を比較して、決定することはあまりおすすめしません

当然ながら、式場に個別に申込むのと、そういった会社を通して申込むのでは、諸条件が異なる場合が多いですので、
気に入った式場には個別に足を運んで、一通り説明を聞き、見積りを取って、違いを把握して利用するようにして欲しいなと思います。
また、「○○婚」で申し込んだ場合は、式場サイドからすれば不慣れなスタッフが持ち込まれるということになります。
大概は一般宴会扱いで申込みをするので、婚礼として式場に申し込んだ場合の持込みとはそもそもの条件が違う場合もあるので、そのリスクも理解しておく必要がありますね。

とにかく、ちゃんと調べて利用する!
これが何に置いても必要ということだと思います。

フリーのウェディングプランナーとして、「持込み」プランナーの立場は経験していますから、
私の場合は、よほどクオリティが悪くない場合を除いては、持込みがNGのところに無理に自分のパートナー会社を持ち込ませることはしていません。
ただし、打合せはとても大事なので、打合せには同席させていただくようにしています。
なので、こういう会社はリスキーなシステムを採用しているなぁとも思うのです……
TVCMなんかをあれだけやっているのだし、とにかく自社の提携先を使って「多売」をしないといけないのでしょうね。

大雪が降った14日はコンサルティング先のウェディングフェア。大雪なのにたくさんのお客さまが来てくださって感激!