「メニュー表示と異なる食材」を出さないために

今、世間を騒がせている、ホテルのメニュー表示問題。
提供しているメニューの表示が実際の食材と異なっていた、というものです。

スタッフ間、部門間の連携不足によるミスなのか、意図的に行っていたものなのか、
それは別の議論にするとして、お客さまには当然非はありません。
お客さまは表示されたものを食べたくてオーダーするのですから、メニュー通りのものを提供するのが店に課される当然の責任。

もしメニュー通りのものが提供できない状況なら、代替食材を使うことを説明し、納得していただく必要があるわけです。
代替食材でもいいからオーダーするお客さまもいるでしょうし、それでは嫌だからオーダーしないというお客さまもいるでしょう。
どうするかはお客さまの価値観と、そこからの判断に委ねるべきこと。
きっと大丈夫だろう、という勝手な判断で提供してしまってはまずいのです。

ウェディングのメニューというのは、通年で入手できる食材を使う場合が多いもの。
食材には旬があるので、天候等によって大幅な差が出ないようにするためです。
大量に作ろうとすれば食材も量が必要なので、ホテルや専門式場のような大規模なところほどその傾向は強くなります。

そして、高いメニューになるほど食材の産地や銘柄が限定されています。
披露宴で出される料理というのは、時間やプログラムの関係でコース毎の品数は大きく変えられなません。
そのため、食材や調理法で価格に差をつけることになります。
例えば、肉料理の肉が「牛肉」「国産牛」「○○牛」と、違いがわかるように表示も変えているはずなんですね。

意外と盲点なのが付け合わせの野菜など、メニューに表示されないような食材。
いつでも手に入るものなら問題ないのですが、それではありきたりな一皿になってしまうため、「季節の野菜の~」という感じの書き方で、旬の野菜を添えることもあるでしょう。
どうしても作柄に左右されますし、原価のこともあるので、常に同じものを添えられないことも考えられる。
そのため、入荷状況で変わります、というアナウンスがなされるはずです。

以前担当していた各会場のシェフからは、そういった変更の可能性があるものについては予めお客さまにお断りしておくように、と指導されたものでしたし、
もしお客さまが、試食等で召しあがって、これは絶対に当日も出してほしいというご希望があれば、可能な限りそれをお出しするように努力していましたし、万が一出せなければ代案を挙げてご相談していました。

私の結婚式は大丈夫だったのだろうか?
このニュースを聞いて、そんな風に不安に感じた方もたくさんいらしたことでしょう。
これから結婚式を控えている方でも、自分が選んだ式場は大丈夫?と不安になった方もいると思います。
大切なゲストが召しあがる料理について、きちんと把握した上で、提供したいですよね。

自分の担当プランナーや調理担当者から、分かりやすくメニューについて説明があったか、
もし説明が不十分なら、納得いくまで確認されることをおすすめします。