結婚式をすることが決まったら「さあ、次は結婚式場見学に行こう!」と思いがちですが、いきなり見学に行くことはおすすめできません。
私のプロデュースでは、結婚式のコンセプトとできるだけ具体的な内容を決めてから、それに合う会場を探すという段取りで進めているので、その前提でお伝えしていきます。
結婚式場を探す前にしておくべきなのは、
- 結婚式でどんなことをしたいか
- 誰を呼びたいか
- お金をいくらかけられるか
この3つをしっかりまとめることです。
1.結婚式でどんなことをしたいか
まず、結婚式でしてみたいことをふたりで出し合い、まとめます。
ブレインストーミングのように、どんどん出していきましょう。
してみたいことが思い浮かばないなら、したくないことを挙げても構いません。
写真や映像などイメージをピックアップしてもいいですし、具体的な演出やアイテムを挙げられればもっといいでしょう。
この時のポイントは、ふたり別々に考えてそれぞれに希望を出すことです。
これといって思い当たらないからと、相手の意見に乗っかるのはNGですよ。
相手の結婚式ではなく、ふたりの結婚式ですから、ちゃんと自分の意見を出しましょう。
お互いに希望を出しあったら、実際に結婚式ですることを、今度はふたりで選んでいきます。
理由を伝えたり、それに対して意見を述べたり、納得いくまでディスカッションして選びましょう。
することを選んだら、優先順位をつけておきます。
絶対にしたいこと、そこまでではないことと、思いの強さは様々です。
この優先順位は、これからの準備の間ずっと生きてくるので、しっかり話し合っておいてくださいね。
2.誰を呼びたいか
次に、結婚式に招待したい人をリストアップします。
さあ、総勢何人になるでしょうか?
このときのポイントは、とりあえず思いつくままに 全て出してみることです。
人数の目安を最初に決めて、それに縛られてしまう人もいますが、もし多すぎても、招待の声掛けをする前ならいくらでも削れるので、最初から縛りを設ける必要はありません。
逆に、人数を増やしたいと思っても、段階によっては 増やすのが難しくなってしまうこともあります。
例えば会場決定後。
60名しか入らない会場と契約をしてからでは、70名招待したいと思っても 会場の変更をしなければお呼びできません。
この段階で漏れのないようにリストアップしてみてくださいね。
3.いくらお金をかけられるか
そして、大事な大事な予算のことを考えます。
予算は、
- 貯金など自分の財布から出す自己資金
- 親御さんからの援助金
- ご祝儀や会費
この3つの出どころが考えられます。
自己資金
ふたりの手元のお金から 結婚式のためにいくら使えるのか計算しましょう。
親御さんからの援助金
援助金の額は、ゼロから全額までご家庭によって様々です。
直前まで内緒にされているケースもあるようですが、聞けるなら先に聴いてしまいましょう。
ご祝儀や会費
ご祝儀や会費は、1人当たりの金額 × 招待人数で計算して想定します。
ご祝儀と会費は、似ているようで全く違う性質のお金です。
会費は固定の金額を列席者全員から確実にいただけるものです。
会費の金額に見合ったパーティーの内容にしていく必要もありますから、会費制にするならこの段階で金額まで 決めてしまうことをおすすめします。
ご祝儀はあくまでも 出す側の気持ちで金額が決まるものです。
列席者の立場によっては、マナーとしての相場がありますし、現在は平均3万円で計算するのが 一般的になっていますが、最終的にいくら包むかはその人の気持ち次第、強制されるものではないんです。
結婚式の後にならないと金額がわからないものとはいえ、予算を考える際には何らかの金額を想定しておかなければいけませんよね。
予算よりも控えめに考えておいた方が現実的なので、私の場合はひとり当たり2万から2万5千円で計算することをおすすめしています。
これら3種類のお金の合計があなたの予算です。
ただし、新婚旅行や新居への引っ越しなど 結婚には他にもお金が必要なことはありますよね。
そういったことも考慮した上で結婚式にくらかけるかを決めてみてください。
会場の見学で冷静な判断をするために
この3つをまとめたら結婚式場を探し、見学に行きましょう。
- やりたいことが実現できる
- 招待したい人数が入る
- 自分たちの予算で収まる
そういう会場を探すわけです。
これら3つは会場見学でも必ず聞かれるはずです。
じゃあ見学に行ってその場で考えればいいじゃない、と思うかもしれませんが、ノープランで行って会場の雰囲気で気持ちが盛り上がってしまうと、冷静な判断ができなくなることが多いんです。
会場側は、当然ながら 自分たちの施設でできることをアピールします。
素敵な会場にすっかり盛り上がったものの、帰宅してよく考えたら、絶対にしたいことができないのが分かった、とか、したいこともできて素敵だからと決定したものの、見積りの中にそのしたいことの予算が入っておらず、結果として金額がかなりかさんだとか、後悔してしまったケースもたくさんあるんです。
事前にきちんと希望をまとめてから見学に行けば、冷静な判断がしやすくなるので、素敵な会場に心置きなく盛り上がっても大丈夫です。
ちなみに、会場紹介のデスクを利用するとしても この準備は必要です。
会場紹介デスクは、提携している会場とお客様のマッチングをするのが仕事なので、自分たちの希望が完全にかなう会場と提携しているとは限りません。
冷静な判断のためにも、やはり準備をしてから相談に行くようにしましょう。
招待状の作成を始める3ヶ月前までなら、会場や日時はいくらでも変えられます。
もちろん、特定の日に結婚式をしようと考えている人はこの限りではないですし、衣装のレンタルなどのこともあって3ヶ月前より早く会場を決めることがほとんどですが、そもそも会場探しは慌てなくても大丈夫ということです。
また、他の会場と比較をせずに即決するというのは、絶対におすすめしません!
この場で決めてくれれば大幅値引き!などと好条件を出してくる会場もあるでしょうが、結婚式という初めての、それも大金がかかることを、比較もせずにその場で判断するなんてできるわけがありません。
慌てなくていい、というのが頭にあれば、精神的にもゆったり考えられますよね。
私は、 あくまでも結婚式の会場は 「入れ物」「箱」だと思っています。
箱から先に考えると、必然的に中身はその箱に入るという条件下で選ぶことになります。
招待人数のところで例に挙げましたが、60名しか入らない会場で70名の結婚式はできないんです。
他にもドレスや演出など、箱から決めることで生まれる制限はたくさんあります。
だったら中に入れたいものを先に考えて、それに合った箱を選ぶ方が、希望通りにしやすいと思いませんか?
結婚式で、
- したいこと
- 呼びたい人
- 予算
この3つの中身をしっかり決めてから、素敵な会場を探しに行きましょう。