親世代と子世代で最も意見が分かれるのが「結納式をするかどうか」でしょう。
両家顔合わせの会食はどちらも行う方向で一致するのですが、結納式を行うかどうかは合致しないケースが多いようです。
少々古い言い回しかもしれませんが、「もらい受ける側」が「もらわれる側」に配慮する、つまり、婿養子でない限りは女性側の意向を汲んで決めるのがよいとされています。
会社時代にたまたま取った1本の電話で、とても印象的なものがありました。
「若いふたりの意向もあって、結納式をせず、顔合わせの会食だけしたものの、娘を嫁に出す側としてはやっぱりちゃんと結納の儀式をしてほしい。
もう挙式日が迫っているけれど何とかしたいので、レストランなど場所を紹介してもらえませんか?」
お電話の主は、1週間後に挙式を控えたご新婦のお母様でした。
「娘さんをください」というプロポーズの言葉に象徴されるように、女性側の親御様は「娘を他家に送り出す」という気持ちが強いことが多いのです。
大事に育てた娘だからこそ、しきたりをきちんと守ってほしいという気持ちがあるものです。
前述のお母様は1週間前になっても諦めきれず、今からでもと行動に移したのでしょう。
男性側がやらなくてもいい、という考えの場合、それを先に女性側に伝えてしまうと、女性側に結納式をやりたい希望があっても言い出せなくなってしまうかもしれません。
相手側の本音を確認し、把握することは、これ以降の結婚式や新居等の準備をスムーズに行う秘訣でもあります。
自分の親の意向を確認し、おふたりでしっかりと共有して、どうするのがいいか考えましょう。
結納式を行う場合は、関東式、関西式など、地域によって形式もしきたりも異なるので、異なる地域同士の結婚の場合、お互いに話し合って決めるようにします。
式の段取りは、ホテルや結婚式場、料亭など、結納を普段から扱っている会場であれば、進行を手伝ってくれたり、ノウハウを授けたりサポートしてくれるはずです。