引出物のマナーの変遷
ここ20年くらいで大きく変化したのが結婚式の引出物、中でも記念品選びの考え方です。
例えば、最近人気の国内産地製のタオル。
過去には、タオルや石鹸、食品などの消耗品、いわゆる「消え物」は、結婚式の記念品に用いることを避けるべきものでした。
結婚式だけに「消えて」しまっては困る……記念品は形に残るものが基本だったのです。
更にさかのぼれば、今や記念品の主流となっている陶器やガラス器といった「割れ物」や、ナイフやハサミなど何かを「切る」ものもタブー。
ふたりの仲が「割れ」たり「切れ」たりしては困るからです。
日本らしい、「忌み言葉」を避ける、縁起担ぎからきている習慣でした。
現在の記念品を選ぶ基準は、ゲストに喜んでもらえるもの、気軽に使ってもらえるものになりました。
だからこそ、前述のような生活に密着したものも記念品として扱われるようになったのですね。
カタログギフト
カタログギフトもすっかり定番化しています。
その理由としては、重たくて大きなものを持って帰ってもらわなくて済む、という面もありますが、
本来なら、こちらが選んだものを贈るべきところを、相手に選択をゆだねられるという贈る側のメリットも大きかったでしょう。
でも、そのほうがお互いに効率的ということで定番化したわけです。
贈り分けもOK 現代の引出物マナー
制約が緩和されて選択肢は広がりますが、気をつけたいのは年代によって感じ方が違うということ。
その方が持つ常識によって、同じ品物に対する感じ方が異なるのです。
過去に避けるべきとされていたものについては、同年代にはOKでも、親世代はNGと感じる可能性が高くなります。
今も変わり続けている引出物は、やはり親御さんの意見も聞きながら選ぶのがいいと思います。
相手に合わせて何パターンかの記念品を用意する「贈り分け」も積極的に行われるようになっています。
実はこれも比較的新しい考え方で、かつては全員に同じ品物を贈っていたのを、相手に喜んでもらえるものがいいということ、また、家に帰って開けるためその場で中身の違いはわからないということで一般化しました。
ただし、紙バッグの大きさは全て同じにして、ぱっと見で違うものだとわからないようにしましょう。