結婚式のマナーに関する考え方が変化している事例としてよく挙げるのが、
- 招待状をメールで送ってしまう人も出てきている
- 席次表の親御さんの名前に「様」を付けようとする
こういったお話をすると、ある世代ではまだまだ「え~!?」という反応が起こります。
もちろんこの反応は、「いいね 」ではなく「それはマズイでしょ」という反応です。
まあ、私でさえ驚くのですから、世代が上の方にとってはもっとビックリな事実だと思います。
もちろん、ケースバイケースですから、一概にダメとは言えません。
ゲストの顔触れや、パーティの趣旨によっては、招待状をメールで送ってもOKな場合もあるでしょうし、親御さんをゲストとしてもてなしたいという新郎新婦も、今はたくさんいらっしゃいます。
大切なのは、それが自分たちの結婚式にふさわしいことなのか、その想いをどう表現するか、というところです。
2次会や友人のみのパーティであれば、招待状もメールでいいのかもしれない。
ただし、披露宴であれば話は別です。
ご祝儀なり会費なりをいただいて、服装などの準備もしてお越しいただくのですから、フォーマルな形式である封書でご案内するのは常識ですし、心をこめて準備したことがわかるような体裁である必要もあります。
新郎新婦がどんなに親御さんをゲストだと考えていても、他者から見れば、もてなす側に回る立場。
全員が見る席次表は敬称抜きで、敬称をつけても席札のみにするのが周囲へのマナーというものです。
そして、当日は親としての立場で立ち会ってくれるように、親御さんともお話をする必要もあるでしょう。
一昔前であれば、結婚式のマナーやしきたりについては、親御さんがお子さんを導いていました。
最初に勤務した式場時代は、若造の私たちが言うまでもなく、決まりごとについて、よくおわかりの方が多かったような気がします。
親御さんのご意見が強かった時代、という言い方をされますが、ドレスや引出物に細かく口を出すというよりも、何かを選ぶ際の選び方をご指示されている親御さんが多かった記憶があって、それは現在でもとても大切なことに思うのです。
今は、お金の出所も変わって、親御さんもお子さんのよいようにと一歩下がっているケースが多い。
相談する機会を逃してしまって、悪気はないのにマナー違反になってしまっていることもあるんです。
間違ったやり方を選択してしまって、困るのは他ならぬ新郎新婦たち。
でも、そもそもマズイこと自体がわからない……それが結婚式を準備しているおふたりの状況なのですから、担当するプランナーが、適切に導いてあげなければいけないわけですね。
しきたりや習慣は、大切だからこそ残ってきた日本人の心そのもの。
おふたりらしさとはまた別の次元で考えるべきこと…そう私は考えていて、時に、古臭いことうぃ言っているかな?と心配になることもあります。
しかし、この講義での受講生さんの反応を見て、新郎新婦世代とのギャップってやっぱりあるなぁと実感しました。
まだまだ、しきたりや習慣を踏まえる必要は大いにあると…
そもそもマナーや常識をよく知っていらっしゃる方は、どうするのが正しいの としっかり聞いてくださいます。
ルールという基本をベースに、おふたりならどうするのがベストかを導く必要が増えるはず。
聞く相手に困ったとき、頼っていただけるような拠り所となれるように、私も勉強し続けていきたいなと思います。