年末に「エスプリ ディオール-ディオールの世界」を見にいってきました。
地下1階から地上3階までを使った、贅沢なエキシビションです。
黒いカーテンをくぐって中に入ると、ディオール氏の肖像画やデザインがなどがズラリ。
彼が画商の仕事をしていたとは知りませんでした。
私は最初に置かれていたこの「バースーツ」にくぎ付け!
奥のオリジナルをベースに、毎年新しいデザインを出しているそうなのですが、
この黒いスーツはカッコいい!!
なにしろ、私たちの仕事には黒のスーツが欠かせないので、つい目がいってしまいます。
今ほしいのがまさにこの形……もちろん手が届かないし、持てたとしてももったいなくてきっと仕事では着ませんが。
かっちりとした印象の服なのに、女性らしい体型を引き立てて、とてもセクシー。
そして、ずらりと並ぶドレスたちは、なかなかの見ごたえでした。
皇后・美智子さまのご成婚の際のローブデコルテがディオールだったのも初めて知ったのですが、
新しいデザインに囲まれても、決して時代感を感じない皇后さまのお写真。
まだ和装が一般的だった日本では、まさに新しい時代を象徴するような鮮烈な印象だったのでしょうね。
日本のモチーフを取り入れたドレスも多数ありました。
北斎の浮世絵の波を裾の模様に取り入れたドレスの他にも、
帯のような幅広のリボン、丸い華紋のような刺繍、抜いた衿の形やキモノスリーブなど、
ほぼそのまま取り入れているのに、デザインとしての完成度が高いのもさすがです。
この辺りのコーナーはウェディングドレスの参考にもなりますよね。
新しいものなのかと思って制作年を確認すると、1950年代のものでびっくり!というドレスもありました。
ブラックドレスのコーナーでは、その面白さも改めて実感。
黒というのは、光の反射の違いが大きく出るので、最も質感を感じさせる色だと思うのです。
だからこそ、難しいけれど、楽しみもある色なのですよね。
こちらはマリリン・モンローがまとったブラックドレス。
シンプルなシルエットはモンローのプロポーションで着てこそ。
フロントはひざ丈なんです。
「トワル」もたくさん展示されていました。
遠目にみると白いオブジェのようです。
職人さんも来日されていて、時間によっては縫うところも見られたようです。
私が行った時間には、フレグランスの小瓶を装飾する職人さんがデモンストレーション中でした。
1つひとつを手作業で巻きつけているんだ!とまたびっくり。
細やかなのに早い!!
庭や花にインスピレーションを得たドレスも。
顔に小さなフラワーモチーフを貼り付けた写真にとても惹かれました。
本当の贅沢には、本物の素材と職人の真心が必要である。
そしてそれは伝説への敬意なしには意味をなさない。 ―クリスチャン・ディオール
ブランドを確立し、たくさんの人々に愛される理由はこの精神にあるのでしょう。
これを読んで浮かんだのが「不易流行」という言葉で、先日エキシビジョンを見にいったエルメスにも同じことを感じました。
私も形だけでなく精神性が伴った仕事をしよう、と強く思います。
年末の1日、新年に向けていい時間を過ごすことができてよかったです。
※撮影した写真で載せきれなかったものをFacebookページにUpします。
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