【特別編】新型コロナウィルス感染拡大の今 結婚式のおもてなしはどうなる?

新型コロナウイルス関連の特別編、第二弾は感染防止策を踏まえた結婚式の演出についてお伝えします。

挙式の演出のポイント

挙式は新郎新婦と司式者の周りの対策を、と前回お伝えしました。
人前式の場合はゲスト参加型の儀式のご希望が多いのですが、取り入れる場合は内容に応じた
対策が必要になります。

例えばブーケセレモニーをするなら、複数のゲストと花の受け渡しをすることになるので、感染防止対策を組み込んで考える必要が出てきます。
花は手で直接受け取るのではなくカゴなどに入れてもらったり、ブーケはスタッフが対策をした上で作って、持つ部分をカバーするなど、直接触らずに済む工夫をするといった感じです。
集めた花をその場でブーケにしないで、一旦装飾として祭壇に飾って、お色直しまでにブーケにして持ってもいいと思います。

挙式は厳かな気持ちで臨みたいものですよね。
そのためにはスムーズな流れで進めるのも人前式の大事なポイントなんです。
対策のために流れが間延びしてしまうよりは、意味合いをそのままにやり方をアレンジしてみるといいと思います。

披露宴の演出のポイント

座席の対策は装飾を生かして

座席の飛沫防止のためのパーテーション、もし会場に用意がなければ、自分で用意をすることになりますが、テーブルに置くものなのでまずはお花屋さんと相談してみるといいと思います。
花とアクリル板をうまく組み合わせて、装飾と一体になったものができるかもしれません。

目線をさえぎるくらいの高さのある装飾は、対面するゲスト同士が話しにくいということで避ける方も多かったのですが、飛沫の遮断を兼ねた装飾として活用することができそうですね。
ガラスのシリンダーのような透明な器を使えば圧迫感も少なくてすみます。

ゲスト同士の距離を取るために、人数に対してかなり広い部屋で披露宴をするケースも多いようです。
広すぎて寂しく見えるかもしれないと心配をしている方もいらっしゃるでしょう。
おすすめは周囲を広くとってそこに装飾をすること。
木を立てたり、布を下げたり、少々大掛かりにはなりますが、演出効果もぐっと上がります。
部屋の角に大きな装飾をするだけでも効果はあります。

テーブルとテーブルの間に装飾を入れてもいいのですが、ゲストが席を立って動くときに邪魔になる可能性があります。
周囲を飾る方が、視覚的にもレイアウト的にも効果が高いと思います。

照明の設備が充実している会場なら、ライティングで空間が目立たないようにすることもできます。
スポットライトをうまく使ってテーブルを照らし、それ以外を暗くします。
コントラストをしっかりつけるのがコツです。

さらに空間があるなら受付やウェルカムスペース、ドリンクカウンターなどを、会場内に設置して、エリア分けをして使ってみましょう。
エリアの境目には仕切りのような装飾をして、別空間として演出するのもいいと思います。
ゲストが密集しないように注意が必要なので、レイアウトやオペレーションについて会場 としっかり相談しておいてくださいね。

飛沫や接触が起こりやすい演出を取り入れるなら

飛沫や接触が起こる演出は避けるのが最も簡単な対策ですが、それがふたりにとって欠かせない演出なら、消毒などの時間を盛り込んで考えなければいけません
ひとつの演出に要する時間が増えれば、他の演出の時間を短くしたりなくしたりする必要も出てきます。
どれを残しどれを削るか、ふたりの中での優先度を踏まえて決めましょう。

例えば結婚式でよく見られるゲストテーブルでの記念撮影。
今まではゲストが希望すればスタッフがスマホをお預かりして撮影をしていました。
スタッフ側としては撮って差し上げたいのはやまやまなのですが、感染防止のためにはスマホを預かるたびにスタッフは手を消毒しなければいけなくなります。
今まで通り何台ものスマホをお預かりして撮影していては、かかる時間が何倍にもなってしまういます。
サービスとしても、お客様の目の前でいちいちスタッフが消毒をするのはスマートとは言えないですよね。

回るテーブルを減らすことはできないので、ゲストのスマホでの撮影をやめるのが最も現実的。私ならそう提案します。
カメラマンが撮影した写真データがあるので、それを新郎新婦からシェアするようにおすすめします。
今はプロカメラマンの写真もデジタルがほとんどですので、データだけなら納品まで時間はそうかかりません。
メールでゲストに直接送ったり、SNSにアップして好きな写真をダウンロードしてもらったり、写真のシェアサービスを利用してもいいですね。
その方が演出としても、おもてなしとしても、断然スマートだと思います。
フィルム時代の写真は新郎新婦からゲストにお送りするのが当たり前だったので、またその形に戻るだけです。
スマホ世代の方には新鮮かもしれませんが、より丁寧に感じてもらえるのではないかと思います。

窓を開けて喚起する会場は条件が変わることも

換気のために窓を開放する会場の場合は「音漏れ」という問題が新たに発生します。
太鼓やバンドなど大音量の音楽がOK だった会場でも制限がかかるかもしれません。
それは仕方のないことなのですが、削れない演出なら会場の変更も含めた再検討が必要になってしまいます。
条件の変更などがないかは、早めに会場に確認しましょう。

おもてなしの演出のポイント

ギフト、引出物

ゲストにお渡しするギフト類。
引出物は配送システムのような直接渡さない方法を取れば、荷物も減って一石二鳥ですよね。
会費制のパーティなら、ギフトなしで妥当だと思ってもらえる金額に設定してもいいと思います。

プチギフトの手渡しは避けた方がいいので、一か所にまとめて置いておき、ゲストに自分で取ってもらうようにすればいいのですが、そもそもプチギフトは用意しなくても問題はありません。
コンセプト的にプチギフトが意味を持つようなウェディングなら、もちろん私も提案をしますが、そうでなければ無理に配らなくても大丈夫です。

ブッフェ料理

披露宴には食事が欠かせませんが、厚労省の指針ではブッフェスタイルの感染リスクが指摘されています。
これは、接触が主な原因のようなので、トングなど共用するものをなくせば安全に行えるはずです。

それよりも私が気になるのは人の移動によるリスクです。
日本人は順番はもってきちんと並ぶので、ビュフェスタイルのパーティでは必ず長い列ができます。
列に並ぶ時間が長くなれば会話も始まるでしょうし、お酒が入ると接近して大声で話をしてしまう可能性もあります。
それも解消できればより安全ですよね。

私がお世話になっているケータリング会社では、新型コロナ対策の新しいブッフェ料理を提案しています。
写真のように、小さな器に1人分ずつ取り分けされていて、直接手で器を取れるようになっています。
器に盛るアクションも必要なくなるので、その分時間短縮にもなって、列に並ぶ時間も短くできます。

画像協力:フォリクラッセ

ブッフェに取り分けをするスタッフを置いたり、ワゴンサービスの形にしている会場もあるようですが、スタッフを増やせば人件費がかかるので、その分料理代も高くなるはずです。
金銭的な面で料理をブッフェにしたい方も多いと思うのですが、高くなってしまっては 本末転倒ですよね。
それよりは、同等の金額で皿数を減らしたショートコースのお料理にするなどして、人の移動を減らすほうがいい、と私は考えます。

食事をしない「新しい披露宴」の提案

いっそのこと、食事なし、時間短縮の披露宴にしてはいかがでしょうか?
食事がなければ感染リスクもぐっと減らせるでしょうし、感染防止の対策も打ちやすくなります。
乾杯用のドリンクとちょっとしたおつまみを用意したとしても、それを口にするとき以外はマスクを着けていてもらえますね。

新郎新婦や親御さんからのスピーチ、歓談、記念撮影といった時間を取ったとしても、1時間~1時間半あればできるはずです。
ご祝儀や会費はいただかないことにすれば、ゲストにとっても列席しやすくなりますし、ご祝儀を下さった方には後で相応のお返しをすればいいわけです。

このコロナ禍で、一気にサービスが広がっているリモートウェディングも、食事なしでいいと思うのです。
結婚式場は飲食を提供しなければ収益が上がらないので、料理を食べてもらう結婚式を提案せざるを得ないのはわかります。
しかし、フリーランスの視点で考えると、食事を無理に組み込まなくてもいい披露宴はできると思うのです。

少人数にすることでリアルの披露宴に

これまでも年齢や体調、住んでいる場所の関係で列席が難しいケースはたくさんあったので、リモートウェディングはそういった方にも列席していただける方法として、新型コロナの 終息後も活用していきたい方法であることには間違いありません。
と言っても、リモートだけの結婚式には限界がありますし、リアルでおもてなししたいというニーズは絶対になくならないはずです。

厚労省の指針にもあるように10名以下であれば飲食を伴った宴席も安全に行いやすいので、少人数の結婚式に切り替えて、従来通りの披露宴をするという選択肢もあります。
大勢のゲストを招待する予定だったなら、何度かに分けて披露宴を行ってもいいでしょう。
食事もしてもらうリアルでの列席と、挙式のみのリモートでの列席のハイブリッドの開催にして、招待状の返信時にどちらで列席するかを選んでもらってもいいと思います。

リモートウェディングのようにコロナ禍を機に新しいスタイルも登場して、ますます結婚式は多様化をしています。
「やってよかった!」とあなたが思える結婚式がきっと見つかります。
どうか結婚式をすることを諦めないでくださいね。
正しい情報を得ながらポジティブな気持ちで準備をしていきましょう!

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