「日本橋きものサローネ」の中で行われた、IMAGINE ONE WORLD KIMONO Projectのショーを拝見してきました。
2020年東京五輪までに、世界196か国のイメージを映した着物を最高の技術とデザインで創作し、それを一堂に展示・発表・着装することで「世界はひとつ」であることを示す、というプロジェクト。
このショーまでに完成しているのは53か国の着物、それを全て着姿で見ることができました。
太鼓や和楽器バンド、剣舞などのパフォーマンスも盛り込まれた、贅沢なショーでしたよ。
今までに何度か海外に行ってみて思ったのは、それぞれに国の「色」があるなということ。
日本の伝統色のように、各国に独自の色があり、それは多くがその国の自然の色だったりします。
そして、植物や土に由来する色はもちろん、そこで見られる空や大地、動植物の色が、その国のイメージになっていたりもしますよね。
実際にその国に行って取材し、制作された着物もあるそうです。
日本の着物は日本の色を使ったものが多いので、どんな大胆な着物が出てくるのだろう?と思いながら会場に足を運んだのですが、
53か国の着物それぞれが、珍しい色遣いだったり、意匠だったりするにも関わらず、とてもしっくりとくるものだったんです。
もちろん、気候や文化が大きく異なる国はとても新しい感覚、アジアの国々のように文化の共通点が多い国は懐かしい感覚という違いはありましたが、本物は多くを許容してくれるんだなぁと思いました。
今回は日本人のモデルさんでしたが、それぞれの国の女性が着たところも見てみたい。
きっと似合うはずですから。
こちらは今回発表になった新作。
ショーの解説にあった言葉を聞いてはっとしたのですが、織物や染物って、そもそもエジプトやインドなどの古代文明で培われた技術がシルクロードを通り、中国などを経て日本に入ってきたものが今につながっているわけです。
全世界で時間をかけて、古代の人々の発明が共有されているんですよね。
そういう点でも、世界の人々に共感を持ってもらえるプロジェクトだと言えるかもしれませんね。
制作した人や企業は、日本でも屈指の素晴らしい方々ばかり。
文化を残すという意味でも、とても有意義だと思いますし、2020年に196か国全ての着物が揃ったところを想像すると、実にワクワクするプロジェクトです。
成功をお祈りするのはもちろん、何かお手伝いできることがあるならぜひ参加したいなと思います。
実はこのプロジェクトの撮影に、ウェディングの撮影をお願いしているパートナーのフォトグラファーさんが関わっており、以前からショーを見てみたい!と言っていたら今回お声掛けくださったのです。
そうしたら、ショーを見ていたら、ステージ付近でビデオ撮影をしていたビデオグラファーさんが、これまたパートナーに似ている。
後で彼のFacebookのタイムラインに「撮影していました」と書き込みが!
似ているのではなく、本人でした(笑)
みんな、様々な現場で活躍中!
プロジェクトのサイトにはたくさん素晴らしい画像がアップされています。
各国の着物の柄がしっかり見られるページもあるので、私も後でじっくり見ようと思います。
IMAGINE ONE WORLD KIMONO PROJECT
きものサローネの会場には、着物をつくる伝統工芸の展示も。
やっぱり気になるのは刺繍。
先日、京都で伺った「みすや針」の針も展示されていました。
細かい作業が積み重なって、1枚の素晴らしい着物や帯がつくられます。
結婚式をきっかけに着物に興味を持ってくださる方もいます。
婚礼衣裳を通して、日本の大切な文化を守ることに関われたらなと思います。